地元政界や主要企業の幹部たちの社交場だった創業65年の老舗クラブの名を継ぎ、2017年に開店。8月で7年目に入り、10月3日付で、寺島あかりさんと森田蘭さんが小ママに就任した。営業後に空いているおいしい飲食店を探しているというあかりさんは、
「歴史ある店の名前に恥じないよう、二人でママをしっかりとサポートし、サービスの質をさらに高めたい」
七つのボックス席を備えるメインホールに加え、カウンター、15人までの貸し切りに対応するVIPルームを備える。落ち着いた雰囲気の店内は「上質な大人のための空間」がコンセプトで、接待需要が多い。一人で着物を着られるよう、着付けを学んでいるという蘭さんは、
「創業者が残した言葉『どれだけ働いたかを言うよりも、どんな心で働いたかを自らに問う習慣』を心に刻み、23人のキャスト一丸となってお客さまに楽しんで帰ってもらえるような店づくりに邁進します」
ファミリーマートのFC加盟店経営を手掛けており、広本町三丁目店など呉市や広島市などで計10店運営しています。呉市内の3店舗では家庭にある食べきれない食品をお預かりし、自治体やNPOなどを通じて、支援が必要な方に提供する「ファミマフードドライブ」を実施。回収拠点となることで地域の皆さまの社会貢献活動を後押しし、フードロス削減にもつなげたい。
子どもの頃からサッカーに慣れ親しみ、39歳の時には日本スポーツマスターズで準優勝。どうしても全国制覇したいと、35歳以上でつくる選抜サッカーチーム「広島サーティーズ」の総監督として現在も挑戦を続けています。選手は普段別々のチームに所属しているうえ、仕事とも両立せねばなりません。限られた時間の中で練習を重ね、地域企業などから寄付をいただきながら、満を持して9月16〜19日に福井で行われた全国大会へ。大会前には松井一実広島市長にも激励していただきました。結果はグループ戦で敗退。試合内容は良かっただけに、結果が出ず残念でした。悲願達成は来年以降に持ち越しですね。
8月24日には、呉市の市体育振興財団が主催し、元サンフレ広島選手の森崎兄弟や駒野さんを招いたサッカー教室にもボランティアとして参加。今後もサッカーで地域を盛り上げたい。
多くのオーナー経営者は、心血を注いできた会社を後継者へ託すタイミングに心を砕くという。大方は親から子へ代々重ねており、日ごろこんこんと経営の在り方を語り合ってトップ交代を決断。その後に発展するか衰退するか、もう託すほかない。
不動産関連全18社で構成する、みどりホールディングス(HD)の中核会社の第一ビルサービスは10月1日付で杉川聡社長(65)が会長に就任し、代わって坂根紳也取締役(49)が社長に就いた。長男の杉川綾取締役(40)が専務に昇格し、3代表制とした。HDは杉川聡社長と綾専務の2代表制を敷く。中核会社会長の杉川さんは、
「38年間社長を務め、ずいぶん長い期間だった。5年前から〝世代交代〟をテーマに中核会社を除く事業会社の社長に40〜50代の社員を登用し、経営者を育ててきた。世代交代で最後に残っていたのが、中核の事業会社で社長として残っていた私自身の退任だった。いままではほとんど一人で決めてきた。自分で情報を集め、自分で企画して事業を引っ張ってきた。これからは若手も参画する経営委員会を設置して、今後10年、20年の構想を練り、拡大発展に総力を結集したい」
第一ビルサービスは1963年に創業者で義父の岡島正行さんが設立。85年、先代の急逝で杉川さんが27歳で事業を承継した。当時の売上高は4億円。いまはグループ全体で205億円にまで成長。直近10年に売上高は4倍に跳ね上がった。
2012年に広島マリーナホップ(西区観音新町)の経営を引き継いだことが、その後に拡大路線を走る大きな転機となった。05年に中四国最大級のアウトレットモールを核とした商業施設が開業。しかし経営不振が続き、2度運営会社が交代したが、前運営会社から相談を受け、新分野へ乗り出す決意を固める。
「いま思えば、マリーナホップの経営を通じて多くのことを学び、グループ構築の礎となった。それまではビルオーナーの指示通り行う受動的な仕事が多かったが、施設運営は自ら全てのことを考えないといけない。坂根社長は今日まで10年、担当責任者として先頭で引っ張ってくれた。集客イベントの企画や物販も始め、さまざまな経験を重ねながらノウハウを習得。そうしたことが社員の自信につながった。マリーナホップは25年に閉鎖されるが当社に大きな実績として残り、今後のグループ経営に生かされると確信している」
10年後の目標を高々と掲げる。第一ビルサービス単独で売上高160億円、グループ全体で5倍の1000億円と定めた。
「地球環境が変わり、持続可能な社会を重視するSDGsに配慮した経営が求められている。当社はビル管理業を通じてさまざまなデータを蓄積しており、そうしたデータの活用は持続可能な街づくりに欠かせない。いままで以上に必要とされる産業になっていくと思う。不動産事業の周辺でM&Aを進め、ビルメンテナンス業を補完する事業をグループに入れることで相乗効果を発揮していく」
ビル管理で中四国トップクラスに成長。土木・建築、消防・防災機器、シロアリ駆除など不動産関連事業を中心にM&A。会社を超えて人的交流を促し、互いの刺激を企業成長につなげている。この間に「社長人材」を育てた経営観は見事と言うほかない。